INTER-Mediator Ver.6をCentOS 8にインストールする

まだ正式に出していないINTER-Mediator Ver.6ですが、色々なOSにインストールしながら、インストール時のポイントを探っているところです。以前に、Ubuntu Server 18.04、CentOS 7へのインストールを紹介しましたが、今回は、CentOS 8です。

インストールに使ったインストーラは「CentOS-Stream-x86_64-dvd1.iso」というファイル名のISOファイルで、Virtual Box上で展開しました。同時期にはStreamでないものとして「CentOS-8-x86_64-1905-dvd1.iso」が配布されています。Virtual Box側では、ネットワーク1に「NAT」、ネットワーク2に「ホストオンリーネットワーク」を設定しています。ホストオンリー側の設定は、192.168.56.0/24の一般的な設定を適用しています。インストーラの最初の方で、Software SelectionではServer with GUIでなく、Serverを選択してインストールしました。

インストール後、/etc/system-releaseを確認すると、「CentOS Linux release 8.0.1905 (Core) 」でした。ネットワーク設定を行い、ISOファイルを指定して、後は原則そのままインストールを進めました。なお、rootのパスワードは設定せず、管理者権限のユーザーadminを登録して進めました。以下、adminが出てくれば、sudo可能なユーザーとみなしてください。

インストール直後のネットワークの設定

インストール直後はsshでの接続もできないので、VirtualBoxの場合はVMのウインドウでまずはログインをして、ネットワークの設定を行ます。「ip a」や「nmcli connection」で、どんなデバイスがあるかを確認します。通常、NAT側はenp0s3、ホストオンリーネットワーク側はenp0s8になっていると思います。それぞれ、以下のようにコマンドを入れて設定を行ます。ホストオンリー側は、192.168.56.91という固定IPにします。もちろん、設定したセグメント内であれば違ってもOKです。DNSに8.8.8.8を設定するのは嫌われるかもしれませんが、ホストオンリーネットワーク側なので、DNS利用することはほとんどないかもしれません。そして、2つのネットワークデバイスに大して、connection.autoconnectの値をyesにします。こうすればNAT側はDHCPから設定を行い、VMからインターネットにアクセスが可能です。また、ホストオンリーネットワーク側も同様なプロパティをyesにすることで、起動時にデバイスが動作するようになります。最後にホスト名の設定が行われていますが、外部に公開するサーバーならこの方法あるいは別の方法でホスト名は必ず設定すると思われます。この後のApacheの設定でホスト名が決まっていない場合は警告を出して設定ファイルの読み込みがなされず、動作しない場合もあります。なので、実験用にVMを起動する場合も適当なホスト名を必ず設定してください。以下のサンプルをそのまま使ってもらってもいいですが、このcentos.msyk.netはIPの正引き設定はしていません。なお、CentOS 7では「systemctl restart network」と入れて設定を反映させていたのですが、CentOS 8ではnetworkサービスに対するsystemdの設定ファイルが用意されていないので、このコマンドを入れても意味はありません。設定後、検証もかねてすぐにリブート(sudo reboot)するのが良いでしょう。

nmcli connection
ip a
nmcli connection modify enp0s8 ipv4.addresses 192.168.56.92
nmcli connection modify enp0s8 ipv4.gateway 192.168.56.1
nmcli connection modify enp0s8 ipv4.method manual
nmcli connection modify enp0s8 ipv4.dns 8.8.8.8
nmcli connection up enp0s8
nmcli connection modify enp0s3 connection.autoconnect yes
nmcli connection modify enp0s8 connection.autoconnect yes
nmcli general hostname centos.msyk.net

再起動をして、コマンド入力と同様なネットワーク設定になっていることを「ip a」コマンド等で確認します。ちなみにip aは「ip address show」の省略形です。再起動後は正しく設定されていれば、sshで接続できます。CentOS 8は、sshdが最初から起動していますが、ネットワーク設定ができていないので、実質的にはssh接続できないという状態です。上記の作業がsshを可能にする設定とは違います。

再起動後、sshで接続するなどして、dnf update、dnf upgradeのコマンドを打ち込みます。ネットワークに接続されているので、アップデート等の作業を進めます。

コマンドの収集

ネットワークの設定ができれば、ターミナル等からsshで接続して、以下のコマンドを入れます。まず、最初に、よく利用するコマンドを入れておきます。以下、gitは必須ですが、他に、nmapなど自分の用途に合わせて入れましょう。なお、zip、unzip、lsof、nanoは最初から入っています。

sudo yum install -y git zip upnzip
sudo yum install -y lsof nmap # こちらは参考

SELinuxに対応する

ここで1つ重要な設定があるので、最初に行ましょう。CentOS 8は、既定値でSELinuxがアクティブになっていて、高いセキュリティを確保していることになっています。しかしながら、そのために、同一ホスト内で、localhost(127.0.0.1)での通信をすることが許可されていません。INTER-Mediator Ver.6より内部で複数のサーバーが動くようなアーキテクチャになっており、この制約があることで一部動作が正しく行われません。

そのため、SELinuxをオフにするか、一部のポリシーを緩めるかのどちらかの設定をしなければなりません。まず、以下にはポリシーの変更の方法を紹介していますが、動作可能なポリシー変更の方法がまだ分かりません。テストや仕様の上では、SELinuxをオフにすることで対応してください。

以下のコマンドの1行目を入れると、httpdに対してどんなポリシーが適用されているのかが分かります。ここでは、そのリストに出てきた。httpd_can_network_connectがoffになっている点に注目します。つまり、httpdはネットワーククライアントになる場合もあるわけですが、このポリシーにより禁止されているわけで、2行目のコマンドを入れてネットワークのクライアントになることを許可しておきます。ただし、これだけのポリシー変更ではまだダメなようで、今後に調査が必要と考えています。

getsebool -a | grep httpd
sudo setsebool -P httpd_can_network_connect on
# 他のポリシーも変更しなければならないが、現在調査中

他には、sendmail利用が制限されている(httpd_can_sendmail)ことや、同一サーバーのLDAPへの接続が禁止されている(httpd_can_connect_ldap)など、いくつかの機能がポリシーに違反することもある可能性があります。

SELinux自体をオフにしたい場合は、次のように作業します。SELinuxの状態をみるには「getenforce」コマンドを入れますが、「Enforcing」と次の行に出てくれば、設定されていることになります。そして、以下のコマンドを入れることで、SELinuxは基本的にオフになります。

sudo setenforce 0

上記コマンドを入れて、「getenforce」を実行すると「Permissive」と表示されるので、これにより制限が設定されていても実施できるようになったことを示しています。ただし、再起動すると、またオンの状態になります。再起動後にもオフの状態にしたいなら、/etc/selinux/configファイルの「SELINUX=enforcing」を、「SELINUX=disabled」にして再起動してください。このファイルは間違えた状態にすると起動しなくなるので、記述の変更は慎重に行ってください。

Apache2のインストールとFirewallの設定

Apache2のインストールは非常にシンプルです。以下のようにコマンドを入れれば、インストールされてプロセスが稼働します。再起動後にも起動できるように、enableサブコマンドも入れておきます。

sudo dnf -y install httpd
sudo systemctl enable httpd
sudo systemctl start httpd
sudo systemctl status httpd

これで、ブラウザからチェックと思っても、まだページは出ません。CentOS 7は、ファイアウォールの設定が最初からなされているので、要するにポートに穴を開けないといけません。ネットワークアダプタは、publicというゾーンを利用するので、そこで、httpとhttpsについてのサービスを透過することを以下のように設定します。一部、確認のためのコマンドも入っています。設定するとすぐに機能するはずなので、VirtualBoxでこれまで通りの設定を行っていれば、ホストマシン側でWebブラウザからhttp://192.168.56.92に接続すれば、Apacheのページが見えます。なお、DHCPのクライアント処理とsshは最初から通す設定になっています。

sudo firewall-cmd --state
sudo firewall-cmd --get-default-zone
sudo firewall-cmd --list-services --zone=public
sudo firewall-cmd --add-service=http --zone=public --permanent
sudo firewall-cmd --add-service=https --zone=public --permanent
sudo firewall-cmd --reload 
sudo firewall-cmd --list-services --zone=public
# このように表示される dhcpv6-client http https ssh

PHPのインストールと設定

続いてPHPのインストールです。標準のPHPは7.2です。執筆時点で7.2というのは通常は受け入れられるバージョンだと思われますが、今後、PHPのバージョンが進むとCentOS 7のように別のレポジトリに頼る必要が出るかもしれません。ですが、まずは、標準のPHPを利用することにします。以下のようにコマンドを入れます。すぐに利用したいのなら、Apache2を「sudo systemctl restart httpd」で再起動しておきます。また、この状態でphpコマンドにパスが通ります。なお、INTER-Mediator Ver.6は以下のパッケージの追加で動作可能な模様ですが、チェック漏れがあれば、ここで更新します。チェック漏れがありそうなら教えてください。よろしくお願いします。

sudo dnf install -y php php-bcmath php-gd php-intl php-json php-ldap php-mbstring php-pdo php-xml php-mysqlnd php-pgsql php-process

composerのインストール

PHPのライブラリ管理ツールにINTER-Mediatorは対応しています。しかしながら、composerを動かさないと、必要なライブラリを取ってきません。なお、npmも利用しますが、npmはcomposerがインストールするのでセットアップは原則的には不要です。セットアップは以下のコマンドを入れます。最初のcd以外は、composerのページに記載された通りです。

cd
php -r "copy('https://getcomposer.org/installer', 'composer-setup.php');"
php -r "if (hash_file('sha384', 'composer-setup.php') === 'a5c698ffe4b8e849a443b120cd5ba38043260d5c4023dbf93e1558871f1f07f58274fc6f4c93bcfd858c6bd0775cd8d1') { echo 'Installer verified'; } else { echo 'Installer corrupt'; unlink('composer-setup.php'); } echo PHP_EOL;"
php composer-setup.php
php -r "unlink('composer-setup.php');"

なお、composerもコマンドとしてそのまま打ち込んで利用できるようにしたいので、以下のように作業を行ます。前述の作業では、composer.pharというファイルがホームディレクトリのルートにできて、そのまま動かせるのですが、以下のようにコマンドを入れれば、composerコマンドとして普通にコマンド入力できるようになります。

sudo mv composer.phar /usr/local/bin
cd /usr/local/bin
sudo ln -s composer.phar composer

MySQLのインストール

データベースとしてインストールするのはここではMySQLのみ紹介しましょう。他のデータベースについては、別のサイトをなどをご覧ください。MySQLもPHPと同様に標準のレポジトリにあるパッケージを利用してインストールします。例えば、以下のようにして、インストールを行い、稼働します。

sudo dnf install -y mysql-server
sudo systemctl start mysqld
sudo systemctl enable mysqld

この方法でセットアップすると、MySQLのrootユーザーのパスワードが設定されなお応対になります。そこで、以下のコマンドを入れて、rootのパスワードを設定します。最初に、上記の仮に設定されたパスワードを入れ、その後に新しいパスワードを入れます。パスワードの検証をするかどうか、パスワードのポリシーの強度はどうするかを対話式に答えます。テストするだけの場合は検証しないか、するとしてもLOWを選択しておきます。その後に新しいrootのパスワードを入力します。もちろん、rootのパスワードはメモしておきましょう。

mysql_secure_installation

INTER-Mediatorのインストールとセットアップ

ここで、やっとINTER-Mediatorの登場です。まず、準備として、以下の作業を行ます。ここでは、Apache2はapacheユーザーで稼働しているものとします。

まず、apacheユーザーのホームディレクトリに、apacheユーザーが書き込みできるようにしておきます。インストール当初はrootユーザーにしか書き込み権限がありません。これは、node.jsのプロセス起動のためのユーティリティであるforeverの稼働のための条件です。

cat /etc/passwd|grep apache
# 出力例 apache:x:48:48:Apache:/usr/share/httpd:/sbin/nologin
cd /usr/share
sudo chown -R apache httpd

次に、Apache2のドキュメント領域について、apacheユーザーとadminユーザーに書き込み権限を与えておきます。apacheユーザーについては読み出し権限で十分とも言えるのですが、オーナーをApache2のオーナーにして、グループ側にadminやあるいは適切なグループ、つまりコンテンツをいじる側のアカウントを指定するようにしました。ドキュメントルートは、/var/www/htmlですが、このwww以下を作業しやすいように、アクセス権を設定しています。なお、以下のコマンドは初期状態でファイルがないことを仮定しています。ファイルがある場合は、3つ目のコマンドについては、775ではなくg+rwでおそらく問題なく行くでしょうけど、既にファイルをコピーしてしまった場合は一概には言えない面もあるので、アクセス権について改めて見直してください。

cd /var
sudo chown -R apache:admin www
sudo chmod -R 755 www

そして、以下のようにコマンドを入れて、INTER-Mediatorをインストールしてください。その後、composerコマンドを稼働して、しばらく待ちます。これでインストールは終了です。

cd www/html
git clone https://github.com/INTER-Mediator/INTER-Mediator
cd INTER-Mediator/
composer update

サンプルデータ用のスキーマは以下のようにして読み込みます。なお、MySQLのルートのパスワードを変更する時にお気づきだと思いますが、ポリシーをHIGHTなどにすると複雑なパスワードを設定しないといけなくなります。サンプルについては、ユーザーを作るコマンドも入っています。ROWを選択していれば、サンプルスキーマはそのまま使えます。

cd /var/www/html/INTER-Mediator/dist-docs/
mysql -uroot -p < sample_schema_mysql.txt

これを読み込んだ後に、http://192.168.56.92/INTER-Mediator/samples を参照すると、サンプルの一覧が出てきますので、郵便番号検索などのサンプルをご覧ください。Ver.6の新機能の1つであるサーバーサイドでのNode.jsによるサービスサーバーについても、自動的に稼働するはずです。

一通りの手順は以上です。色々、状況によって違う面もあるかもしれませんが、訂正やバリエーションがあれば、このページに追記します。レポート歓迎します。