そして、カスタムレコードアクセス権の制限の式に「username = GET ( アカウント名 ) 」という式を設定しておけばOKです。この辺り、私たちの書籍「FileMaker as a Relational Database」の「8.3 レコード単位のアクセス権」に記述があります。設定手順がちょっと込み入っとるやないか!と今見たら思ってしまいますが、基本はここで説明したものと同様、アクセス権設定に対するレコード単位のアクセス権指定を行っています。
FileMaker ServerにはPHPが付属しなくなって久しいのですが、現状、特にFileMaker Serverで動かなくても不便はなく、PHPの処理が欲しい場合は別途サーバを立てるのが最善策なのはいうまでもありません。しかしながら、「どうしても動かしたい」という声が後を絶たず、ここでとりあえず動かす方法をまとめておきます。そもそも、Clarisからの文書として「FileMaker ServerインストーラへのPHP添付の廃止について」があるのですが、内容が非常に込み入っていて、しかも何をしているのかわかりにくいこともあって、PHPを動かすことに躊躇している人も多いかもしれません。この文書は、FileMaker API for PHPという懐かしいライブラリを利用するための方法まで書いてありますが、今時のPHPのバージョンでこのライブラリが無事に動くとは考えづらく、その方法までは不要なのが一般的ではないかと思われます。
以下の方法が成功したのは、macOS Sequoia上のFileMaker Server 2024の場合です。これは対応OSではないのに成功したということです。また、Sequioa上ではFileMaker Server 2023でも成功しました。これも対応OSではありません(2024版はSequioa対応かどうかは公表されていないですね)。一方、macOS Ventura上のFileMaker Server 2023ではエラーになってうまくいきませんでした。これは対応OSであるのに上手くいかなかった組み合わせです。macOS内蔵のApache2に、外部からインストールするphpのモジュールという組み合わせの相性があるようなので、上手くいかない場合もあるという覚悟で進めましょう。
[Tue Oct 08 12:44:50.253541 2024] [so:notice] [pid 17129] AH06662: Allowing module loading process to continue for module at /opt/homebrew/opt/php/lib/httpd/modules/libphp.so because module signature matches authority "Developer ID Application: Nii Masayuki (W3WVRUYJRT)" specified in LoadModule directive
もう、だいぶん前ですが、FileMaker ServerのLinux版は、Webサーバとしてnginxを採用しました。また、もう少し前からになるでしょうか、FileMaker Server自体にPHPがバンドルされていない状態になりました。ということで、nginxでPHPダァ〜!ってなるのかと思ったら、全然情報が見つかりません。まあ、先に結論を言えば、PHPを動かすんだったら、別のサーバー立てるのが何かと安心というのがあるかと思います。しかしですね、「なんとか動かないか」と依頼されることが多々あり、手順をまとめてみました。Ubuntu Server 22.04LTSです。sudo権限を持ったmsykというアカウントでログインして作業をしました。
Apache2は、PHPのモジュール、つまりApache2のプロセスに入り込んで動くバイナリを使っていました。一方で、nginxは、別プロセスで動くPHPに対して、ソケットや通信を使って動きます。ということで、単独のプロセスで動くPHPといえば、PHP-FPM(FastCGI Process Manager)ですね。こちらをセットアップして動くようにする必要があります。モジュール名さえ分かっていればOKですね。以下の1行目で、phpとphp-fpmをインストールしていますが、composerも必要でしょうから一緒に入れておきます。2行目は、systemctlで指定するサービス名は「php8.1-fpm」になります。2行目はphp-fpmを再起動後も起動するように設定しておきます。なお、手元ではApache2も動いてしまっていたので、止めて再起動後にも起動しないようにしておきました。
location ^~ /fmi/ {
proxy_set_header X-Forwarded-Proto https; # MWPE need ...
:
proxy_cookie_path /fmi "/; Secure; HttpOnly; Max-Age=43200";
}
location ~ \.php$ {
fastcgi_pass unix:/var/run/php/php-fpm.sock;
fastcgi_index index.php;
include /etc/nginx/fastcgi_params;
fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name;
}
# location / {
# First attempt to serve request as file, then
# as directory, then fall back to displaying a 404.
:
cd /opt/FileMaker/FileMaker\ Server/NginxServer/htdocs/httpsRoot
git clone https://github.com/msyk/FMDataAPI
cd FMDataAPI
composer update
これで必要なライブラリがセットアップされる…と思ったら、Problemとして2つ項目が出ます。
Composer is operating significantly slower than normal because you do not have the PHP curl extension enabled.
Loading composer repositories with package information
Updating dependencies
Your requirements could not be resolved to an installable set of packages.
Problem 1
- Root composer.json requires PHP extension ext-curl * but it is missing from your system. Install or enable PHP\'s curl extension.
Problem 2
- phpunit/phpunit[3.7.0, ..., 3.7.38, 4.0.0, ..., 4.8.36, 5.0.0, ..., 5.2.7, 8.5.12, ..., 8.5.40, 9.3.0, ..., 9.6.21, 10.0.0, ..., 10.5.36] require ext-dom * -> it is missing from your system. Install or enable PHP\'s dom extension.
- phpunit/phpunit 4.8.20 requires php ~5.3.3|~5.4|~5.5|~5.6 -> your php version (8.1.2) does not satisfy that requirement.
- phpunit/phpunit[5.2.8, ..., 5.7.27] require php ^5.6 || ^7.0 -> your php version (8.1.2) does not satisfy that requirement.
FileMaker Server 19.4.2.204が稼働するUbuntu Server 18では、デフォルトではPHPは入っていません。自分で入れれば動くのはわかっているのですが、いわゆる「インストーラ」はないので、色々うまく設定しないといけなくなります。一応、動かす方法はわかったので、忘れないようにここに書いておきます。
#
# Disable PHP document
#
#<FilesMatch "\.php$">
# Require all denied
#</FilesMatch>
Include conf/extra/php.conf
これだけでよさそうに思うのですが、これだけだと次のようなメッセージが出てしまいます。
[Wed Jan 19 11:11:29.516483 2022] [php7:crit] [pid 30487:tid 140490306792384] Apache is running a threaded MPM, but your PHP Module is not compiled to be threadsafe. You need to recompile PHP.
AH00013: Pre-configuration failed
LoadModule php7_module /usr/lib/apache2/modules/libphp7.4.so
<FilesMatch ".+\.ph(ar|p|tml)$">
SetHandler application/x-httpd-php
</FilesMatch>
<FilesMatch ".+\.phps$">
SetHandler application/x-httpd-php-source
# Deny access to raw php sources by default
# To re-enable it's recommended to enable access to the files
# only in specific virtual host or directory
Require all denied
</FilesMatch>
# Deny access to files without filename (e.g. '.php')
<FilesMatch "^\.ph(ar|p|ps|tml)$">
Require all denied
</FilesMatch>
FileMaker Server 19 for Linuxが登場したときに、VM上で動かす方法をブログに記載しました。今回は、Lightsail上で動かす方法をまとめておきましょう。Amazon Lightsailは簡単に言えば、Amazon版のVPSサービスです。コア数やメモリなどの設定が何段階かあるのですけど、FileMaker Serverの場合はメモリは4GB以上は欲しいところです。2コアで4GBメモリ、80GB SSDの設定で毎月20ドルです。EC2の同等なものがt3.mediumくらいだとすると、月に30ドルくらいになるので、それよりも安いということと、管理やセットアップが楽というのがLightsailでのマシン利用のメリットでしょう。なお、FileMaker Serverは8GB以上がメモリ推奨値です。4GBで動く保証はもちろんできませんが、大体、2GBだとサーバーは動くけどWeb系が怪しい感じ、4GBだとWebDirectも含めてとりあえず全機能は動くけど負荷増大には弱そう…という印象です。数人で使うサーバーなので、4GBで運用することにしました。
Lightsailによるクラウドコンピューターを用意
実際のセットアップを追っていきましょう。まず、Amazon Web Servicesのコンソールに入り、Lightsailのコンソールに移動します。そして、インスタンスを作成します。以下は、通常は画面を見ながら作業するところですので、設定のポイントだけを説明します。まず、ロケーションは東京を選択してあります。イメージは、Linux/Unixのうち「OSのみ」の「CentOS」を選択します。アプリが入っているものでない方が良いでしょう。
FileMaker Server 19.2.1のセットアップでは、http24というパッケージに依存しますが、こちらも最初は入っていません。以下のコマンドでインストールをします。これは、ClarisのKnowlege Baseにも記載されています。このcentos-release-sclはいろいろなソフトウエアが含まれています。その中に含まれているApacheとSSLモジュールを利用する模様です。
Saving debug log to /var/log/letsencrypt/letsencrypt.log
Plugins selected: Authenticator manual, Installer None
Enter email address (used for urgent renewal and security notices)
(Enter 'c' to cancel): msyk@msyk.net
Starting new HTTPS connection (1): acme-v02.api.letsencrypt.org
メールアドレスを共有するかどうかを、YかNで指定します。
Would you be willing, once your first certificate is successfully issued, to share your email address with the Electronic Frontier Foundation, a founding partner of the Let's Encrypt project and the non-profit organization that develops Certbot? We'd like to send you email about our work encrypting the web, EFF news, campaigns, and ways to support digital freedom.
(Y)es/(N)o: Y
Account registered.
sudo yum install nano -y
cd /opt/FileMaker/FileMaker\ Server/HTTPServer/htdocs
sudo mkdir -r .well-known/acme-challenge
cd .well-known/acme-challenge
sudo nano q3mLUhDwx-9PFQ4PihyvUJfQAlQ-PVqE0SV3KBTxx4g
エディタでは、ターミナルに見えていた「Create a file containing just this data:」の次の行の文字列(q3mLUhDwx-9P…Vnu6zbvyJgTsの文字列)を入れてファイルとして保存します。このファイルの中身も、もちろん、ウインドウからコピペします。上記のような方法で作ったファイルはrootユーザー&rootグループになりますが、読み込み権限だけがあればいいので、全員に対するrが効いて問題なく処理できます。
ここまで準備ができれば、ターミナルの「Press Enter to Continue」と見えているウインドウに戻り、リターンキーなどを押して先に進めます。これで、通信とチャレンジが行われて、証明書が作成されます。以下のようにメッセージが出ますが、Congratulations!と出ていれば成功でしょう。その次の行以降に生成された証明書のパスが見えています。
Waiting for verification...
Cleaning up challenges
Subscribe to the EFF mailing list (email: msyk@msyk.net).
Starting new HTTPS connection (1): supporters.eff.org
IMPORTANT NOTES:
- Congratulations! Your certificate and chain have been saved at:
/etc/letsencrypt/live/fms.msyk.net/fullchain.pem
Your key file has been saved at:
/etc/letsencrypt/live/fms.msyk.net/privkey.pem
Your cert will expire on 2021-03-30. To obtain a new or tweaked
version of this certificate in the future, simply run certbot
again. To non-interactively renew *all* of your certificates, run
"certbot renew"
- If you like Certbot, please consider supporting our work by:
Donating to ISRG / Let's Encrypt: https://letsencrypt.org/donate
Donating to EFF: https://eff.org/donate-le
以上のことから、APIはやはりWebアプリケーションに使うとしてもアクセスが集中しないような用途に限定すべきでしょう。FXでもある意味そうなのですが、まだ、性能が高い面があります。また、Webアプリケーションでは小さなレコード数のアクセスが多いだけにFXで運用する方が有利ではないでしょうか。FileMaker Data APIはもちろん汎用的に使えるのですが、レコード数の増大に強い面があるとしたら、やはり大量のデータ交換に耐えうる設計がなされていると見るべきでしょう。
Apache2のインストールについては、あとで結果を書きますが、FileMaker Serverのインストール時に自動的にインストールされます。ここでは、CentOSのMinimal版だからかもしれませんが、「sudo yum list installed|grep httpd」とコマンドを入れても何も出力されず、Apache2は入っていません。従ってそのまま進めます。もし、「systemctl status httpd」により、httpdプロセスが既にアクティブになっている場合には、それは止める必要があると考えられます。「sudo systemctl stop httpd」で停止できますし、起動時に自動的に起動していたら「sudo systemctl disable httpd」で自動起動できないようにしておきます。Apache2自体は使うのですが、サービスの起動はFileMaker Serverに任せないと、動かない機能が出るのはプレビュー版で経験したことがあります。
では、FileMaker Serverダウンロードです。私はFDS会員なので以下のようなページが供給されていますが、そこにあるFileMaker Server 19のCentoOS Linuxの部分でコンテキストメニューをだし、「リンクアドレスをコピー」を選んで、URLをクリップボードにコピーします。
I confirm that I have read and agree to the terms of the Claris FileMaker Server Software License Agreement included with the software.
Agree (y) Decline (n) [y/n] y
Perform installation for Claris FileMaker Server…
Set up the Claris FileMaker Server Admin Console account for Claris FileMaker Server.
Use this account when you sign into Claris FileMaker Server Admin Console.
Enter User Name: admin
Create a password to sign into Claris FileMaker Server Admin Console.
Enter password:
Confirm password:
Create a 4-digit PIN needed to reset Claris FileMaker Server Admin Console account password via the command line interface.
Enter PIN:
Confirm PIN:
Set Claris FileMaker Server Admin Console account information.
Claris FileMaker Server is being installed by msyk to run as fmserver of fmsadmin group…
Create fmsadmin group…
Create fmserver user in fmsadmin group…
Add msyk user to fmsadmin group…
その後、インストール作業が再開されて、いろんなメッセージが見えますが、ここはしばらく傍観します。
インストール中 : filemaker_server-19.1.2-234.x86_64 118/141
=== Perform post-installation…
Set up core dump location at /var/crash…
Deployment type: Claris FileMaker Server
Retrieved Claris FileMaker Server Admin Console account information from cache.
Install default license certificate.
Create a default Claris FileMaker Server configuration with Japanese locale.
Open HTTP connection port 80…
Open HTTPS connection port 443…
Open Claris FileMaker Server connection port 5003…
Open ODBC connection port 2399…
Open Claris FileMaker Server Admin Console connection port 16000…
Enable and start HTTP server service…
Enable Claris FileMaker Server service…
Reload system daemons…
Check for Avahi daemon…
Avahi daemon has not started yet, wait for 2 seconds…
Avahi daemon has not started yet, wait for 2 seconds…
Avahi daemon has not started yet, wait for 2 seconds…
Avahi daemon has not started yet, wait for 2 seconds…
Avahi daemon has not started yet, wait for 2 seconds…
Start Claris FileMaker Server service…
Claris FileMaker Server service has started…
Waiting for connection session…
Sending Claris FileMaker Server Admin Console account information to Claris FileMaker Server…
Claris FileMaker Server Admin Console account is set up successfully.
HTTP Server has not started yet, wait for 2 seconds…
HTTP Server has not started yet, wait for 2 seconds…
HTTP Server has not started yet, wait for 2 seconds…
HTTP Server has not started yet, wait for 2 seconds…
HTTP Server has not started yet, wait for 2 seconds…
Warning! Failed to start HTTP server, please reboot the system.
インストール中 : 1:xorg-x11-font-utils-7.5-21.el7.x86_64 119/141
インストール中 : 1:cups-libs-1.6.3-43.el7.x86_64 120/141
インストール中 : libtiff-4.0.3-32.el7.x86_64 121/141
:
次のインストール項目に移る前に「Warning! Failed to start HTTP server, please reboot the system.」と見えています。これはインストール作業直後に「sudo reboot」をしなさいということです。しばらく待ってプロンプトが」出れば、「sudo reboot」とコマンドを打ち込んで再起動します。