以前に「コンテキストの内部実装」という記事を書きましたが、コンテキストというか、正確には、コンテキストに対応したモデルの実装について、書いておきます。内部のソースを読んでいない人にはなんのことかさっぱり分からないと思います。
この仕組みを実装しているのは、INTER-Mediator-Context.jsファイルにあるIMLibContextクラスです。そこにあるいくつかのプロパティのデータ構造は、コードを読む場合や改造では絶対に必要な知識なので、一度まとめておこうと思っていました。
以下、「recKey」は、レコードを特定する文字列で、「キーフィールド=その値」という文字列です。たとえば、”id=3″のような文字列に相当します。そして、以下の「key」はすべてフィールド名の文字列が入ります。「portal」はFileMaker Serverを使う場合に、定義ファイルで’portal’=>trueにしている場合の、関連レコードに対応する外部キーの値です。FMS以外ではportal引数は渡されません。以下、portalが有る場合とない場合のデータ形式を記述します。
まず、IMLibContextクラスのプロパティstoreには、実際のフィールドのデータを記録します。store自体がオブジェクトで、以下のようにアクセスすることで、フィールドの値Valueにアクセス可能です。
this.store[recKey][key]→Value this.store[recKey][key][portal]→Value
次に、プロパティbindingです。これは、データベースのフィールドが、どの要素に結びついているのかを記録するオブジェクトです。データベースから、バインドしているノードを求めるために用意しています。右辺は、オブジェクトの配列になっています。IdValueはバインドしたノードのid属性値です。Targetは、そこでのターゲット指定です。なお、Target指定は “” の場合もありますが、そのときにはTargetの値は “_im_no_target” という文字列にしています。
this.binding[recKey][field]→[{id: IdValue, target: Target}, ...] this.binding[recKey][field][portal]→[{id: IdValue, target:Target}, ...]
次はcontextInfoプロパティです。こちらは、バインドしたノードから、データベースのどのレコードの、どのフィールドなのかを求めるためのものです。要するに逆テーブルです。thisと、.contextは同じものですが、thisが使えない状況を考慮してプロパティを作ってあります。
this.contextInfo[nodeId][target].context→コンテキスト自身 this.contextInfo[nodeId][target].record→recKeyの値 this.contextInfo[nodeId][target].field→keyの値 this.contextInfo[nodeId][target].portal→portalの値
これらの3つが主要なデータ構造となります。