計画停電サイトtden.me運営者の意見

計画停電検索サイトtden.me (msyk.net/blackout) 運営者としての見解を記載しておきます。

2011年3月11日に発生した東日本大震災により、電力供給元の福島の原子力発電所が大きな被害を受け、発電できなくなるという事以上に放射能を自然界に放出してしまったという最悪の事態にまでなっていることはみなさんがよくご存知のことです。震災直後より、東京電力では「計画停電」(当初は輪番停電)として、電力供給不足に対処してきました。私の住んでいる地域は何度も計画停電による停電が発生し、うち、何回かは夜の停電でした。もちろん、さまざまな不便はありますが、状況を考えれば仕方ないと考えていました。

計画停電が実際に実際されたのは概ね3月中です。4月以降、電力需要が下がることもあってか停電は実施されていません。しかしながら、夏の電力需要が高まる時期に、停電が起るかもしれないということで、東京電力よりさまざまなアクションがなされています。節電の呼びかけと同時にどうしても供給が足りない場合には計画に従った停電を行うというものです。

こうした東京電力の姿勢について「原子力発電の必要性を暗黙に理解させるための茶番である」といった批判がメディアを中心にしてなされています。「計画停電検索サイト」はそうなると、東京電力のそうしたプロバガンダに協力するものかと思われるかもしれません。

しかしながら、当サイトの管理者として、東京電力の原発プロモーションに協力するものではないことを強く主張します。停電といった今まではほとんど起らなかったことがまさに目の前で起こり、今後も起ろうとしています。避けられないことなのであれば、その情報を提供することによって、事前になるべく知っておくということが非常に重要なことだと考えます。極端に言えば、停電も私たち生活者にとっては一種の災害です。しかしながら、それを知っておく事で、食事の時間をずらすとか、コンピュータを終了しておいたりといったことができるわけです。計画停電に賛同するわけではありません。そうではなく、発生する不便に対する対処をするための情報提供をしたいということです。

原子力発電所については、政府や関係機関は、口を揃えて「安全だ」と言ってきました。すでにそれは嘘だったことが明るみになっています。以前より、私は「安全なら大手町や永田町に原発を作るべきだ」と言ってましたが、今やそれはジョークにもならない状況です。おそらく危険だからという理由で都会から遠く離れたところに作ったのでしょうけども、大事故のために広い範囲に被害が及び、発達した流通網によってその影響は遠方にも及ぶのです。CO2の排出の問題は大きいですが、もっと重要なことは放射能を排出しないことであり、今、放射能が自然界に大量に放出されている事実を認識しなければなりません。

停電は不便ですし、いろいろやっかいないことばかりです。しかしながら、停電が起こりまた取りざたされるということから、放射能を大量に排出するという自然環境のみならず人間社会の破壊が進んでいることを強く意識せざるを得ません。それは人間社会で起った小さな失敗が積み重なったものでもあるわけです。停電によってそのことを多くの人がより強く意識し、どうすれば復旧できるのかということを意識する契機になることを願います。